雲のアルバム
| ☆十種雲形 ☆虹の科学 ☆ちょっと面白い光景その1 ☆ちょっと面白い光景その2 |
| 雲の形は実に千差万別ですが、基本的なパターンは意外と少なく、大きく括って十種の基本形に分けられます。このページでは十種の基本形の写真を紹介します。まだすべてのタイプの写真が揃っていませんが、順次追加していきます。 |
| 次の写真を眺めてください。これは雲の間から太陽の光がもれているところです。でも、ちょっと奇妙に感じられませんか?地球と太陽の距離は1億五千万キロもあり、雲の高さと比べたら無限大に等しいはずです。無限の遠方からの光は平行光線とみなしていいはずなのに、このように放射状に光が出ているのは変ですね。この現象をどう説明したらいいでしょうか。 |
種明かしはこちら。
| ジェット機が空を飛ぶとき、しばしばその後ろにくっきりと「飛行機雲」が見られます。下の写真(左)がその例です。ところが、よく注意して観察していると、下の写真(右)のように、飛行機雲の近傍に一本の「雲のない筋」が見られることがあります。この現象は埼玉県在住の菊地太郎氏が2006年1月にご指摘くださるまで、私は知りませんでした。 さて、この「雲のない筋」はどう考えたらいいでしょうか。 ここではこの不思議な筋を「反雲」(anticloud)とでも呼ぶことにしましょう。飛行機が飛ぶことによってこの「反雲」が出来る仕組みを次のように考えてみました。間違った考えかも分りませんので大方のご批判を仰ぎたいと思います。 このような「反雲」ができるのは、上の写真でも分るように空が高層雲で覆われているときです。高層雲の高度では雲粒はほとんどが過冷却水滴から成り立っています。その中をジェット機が通過すると、その後部での減圧によって空気が急冷され、大量の「氷晶」雲が作り出されます。高層雲がない場合は上の左の写真のようにその氷晶雲は美しいジェット雲として空に残りますが、高層雲中では少し違った反応が生じます。それはいわゆる「ベルシェロン過程」と呼ばれている現象です。過冷却水滴に対する飽和水蒸気圧は氷晶に対する飽和水蒸気圧よりも少し大きいので、両者が混在している場では過冷却水滴はどんどん蒸発し、出てきた水蒸気が氷晶の上に昇華して集まるのです。このようにして、飛行機の通った跡では高層雲は解消して筋状の「反雲」が残り、成長した氷晶雲は上空の風に流されて位置を変えていくことになるでしょう。ただし、上の右側の写真に見られるジェット雲は反雲を作り出した当のジェット雲であるのか、あるいは別のジェット機によるものであるかははっきりしません。 この推論が正しいかどうかをチェックするには「反雲」の出来る現場を捉えればいいわけです。そのチャンスを待っていましたところ、2006年4月6日に下のような写真が撮れました。 ジェット機の通過したすぐ後に、見事な「反雲」が出来ています。つまり、ジェット機は高層雲の中に雲の種まき(cloud seeding)をやってくれていたわけです。 ジェット機は雲を作るだけでなく、逆に雲を解消させる働きもするのですね。 (註)上に2枚並べた写真の右側のものに見られる黒っぽい筋については、菊地太郎氏はジェット機による種まきの結果生じた「反雲」ではなくて、上方にあるジェット雲の影が下の層状の雲に投影されたものではないかと強く主張しておられます。この写真が撮影された時刻の2分前に太陽の近傍を見た写真を下に示します。菊地氏はこれについても黒い筋はジェット雲の影であると信じておられるようです。 ![]() たしかに黒い筋はジェット雲に対して太陽と反対側にあり、あたかも影のように見えています。ジェット雲の高度が仮に8000mであるとし、黒い筋がその影であるとするなら、影の高度はどれくらいになるでしょうか。高校数学程度の知識で簡単に計算できますのでやってみてください。計算のために必要なパラメーターは次の通りです。 カメラの垂直の画角=約39°(実測値) 撮影日時=4月4日12時57分 撮影場所の緯度=北緯35度12分 撮影場所の経度=東経137度6分 計算の答はこちら |