気象の簡単な実験
| このページでは愛知教育大学で学生諸君にやってもらった実験の中から比較的簡単にできるものを選んで紹介します。中にはあまり「簡単」とはいえない(かもしれない)ものも含まれていますが、できるだけそのあたりで入手できる材料を使ってできる実験を工夫してみました。なお、気象の簡単の実験についてはここに挙げたのもの他にも面白いものがたくさんあります。下記の書物が参考になると思いますので、一読をお勧めします。このページで紹介する実験のいくつかもこれらの書物を参考にしています。 ☆理科年表読本「ワクワク実験 気象学」 Z.ソルビアン著、高橋庸哉・坪井幸政訳 丸善株式会社 ☆気象の教え方学び方 名越利幸・木村龍冶著 東京大学出版会 ☆実験気象学入門 菊池勝弘・瓜生道也・北林興二著 東京堂出版 ☆流れの科学 木村竜治著 東海大学出版会 |
| 1.大気圧の実験 2.雲の実験 (準備中です。今しばらくお待ち下さい) 3.大気の大規模な波の実験 |
| (1−1) ストローでジュースを飲む 私たちはコップのジュースを飲むのにストローを使います。ストローを使うとなぜジュースが飲めるのでしょうか。実はストローを使ってジュースを飲むという至極日常的な行為では、私たちは大気の圧力を巧みに利用しているのです。試しに、ストローの代わりに少し長いビニールチューブを使って、机の上に立ち、床に置いたジュースを飲んでみましょう。それでもジュースはのめるでしょうか。きっとジュースは飲むことはできたと思いますが、いつもよりかなり強い力で吸わないとジュースが上がってこなかったことでしょう。それはなぜでしょうか。また、ジュースを飲むことのできる高度差には限界があるのでしょうか。この問題を考えることからスタートすることにしましょう。
実はこのようにして管を使って水を吸い上げる方法は昔からよく使われています。右の図のような「吸い上げポンプ」をみなさんはどこかで見たことがあるでしょう。これは、井戸の水を汲み上げるために使われるもので、ストローを使ってジュースを飲むのと同じ原理で働くものです。(1−2)吸い上げポンプの不思議 この吸い上げポンプはとても便利で、昔から広く使われていました。ところが、不思議なことに、井戸の深さが10mくらいになると、いくらがんばっても水をくみ出すことができないということが知られていました。いろいろな科学者がそれを説明しようとしましたがなかなかうまくいきません。この問題に答を出したのがエヴァンゲリスタ・トリチェリーでした。1643年のことです。 (1−3)大気圧の発見 トリチェリーの着想のポイントは「空気に重みがある」でした。管 の外側の水面には大気の重みがしっかりかかっているのに対して、管の内側は空気を抜き去るのでその分少ない重みが水面にかかっている。その結果、管の中の水は「押し上げられて」釣り合いを保とうとする。というわけです。管の上の空気をより多く吸い出すほど、管の中の空気の重みが減るので水面は高く上がっていきます。そして、その極限がおよそ10mということなのです。このようにして、トリチェリーは大気がおよそ10mの水の柱の重さに匹敵する重さを持っていると結論しました。これが大気圧の概念の始まりとされています。その後、大気圧と天気が密接に関係していることがわかってきました。いわゆる天気図には色々な情報が描きこまれていますが、気圧の分布がその中でも最も重要な要素になっています。もしも水ではなくてもっと重い液体だったら押し上げられる高さは10mよりずっと低いはずです。例えば、水銀は密度が水の13.59倍ありますので、大気圧によって押し上げられる高さは76cm程度しかありません。大気圧の大きさはそれが押し上げることのできる水銀の柱の高さで測定できることができるわけで、このようにして開発された水銀気圧計はその後長い間気象観測の重要な機器として活躍してきています。 (1−4) 大気圧の大きさ 大気の重さは水の柱約10m分に相当することがわかりました。1m2の上に10mの高さの水を積み上げると、その体積は10m3になります。水の質量は1m3あたり1000kgありますから、全体では10000kgすなわち10トンです。つまり、1m2あたりに約10トンの重みがかかっているわけです。大気は意外と重いのです。よく「空気のように軽い」という言葉が使われますが、地球の重力によって地表に押し付けられている大気全体の重さは決して軽くありません。もっとも、地表近くで1m3の空気を取り出したらその重さは1.2kg程度です。これなら他のものに比べると軽いといえるかも知れません。 1m2あたり10トンもの力が働いているのに私たちの体やペットボトルや缶がぺちゃんこにならないのはどうしてでしょうか。それは体やペットボトルや缶の内側にも同じだけの圧力が働いて押し返しているからです。
<気圧の単位>圧力は単位面積あたりにはたらく力ですから、その単位は[N・m-2]です。この単位は[Pa](パスカル)とも表示されます。つまり、1[N・m-2]=1[Pa]です。 大気の圧力をPaであらわしてみると、次のようになります。質量m[kg]の物体に働く力はmg[N] (gは重力加速度で、地表近くではおよそ9.8m・s-2)であり、水1m3あたりの質量は1000kgですから、大気圧は水柱の高さ10.34mを用いて 10.34×1000×9.8[Pa]≒101300[Pa] です。これを1気圧とします。また、100[Pa]を1[hPa](ヘクトパスカル)と書き直して、1気圧≒1013[hPa]と書きます。 (1−5)大気圧の高さによる変化 大気の温度が高度によってやや複雑な変化をしているのに対し、大気圧は高度とともに単調に減少しています。この高度による気圧の変化があるからこそ、大気中では雲が発生し雨が降ったりするわけで、大気圧の高度変化はいわばお天気を作り出すとても重要な舞台と言っていいでしょう。トリチェリーの指摘したように大気圧が大気の重みだとするなら、高度が高いほどその上にある大気の量が少なくなるわけですから気圧は低くなると予想されます。パスカルは1648年にこのような推論を行って、高さとともに気圧が減少すると予想し、実際にトリチェリーの水銀気圧計を携えて山に登り、高度によって確かに大気圧が減少していることを突き止めたといいます。 スキーや登山で山に登ったとき、スナック菓子の袋がパンパンに膨れ上がっていたという経験はありませんか。下・左の写真はその様子を示します。反対に高度の高いところで缶にふたをして低地にもってくると、缶がつぶれているということもあります。下・右の写真は高度2127mの地点でふたをした缶を愛知教育大学に持ち帰ったときの写真です。
もしも、真空容器(真空デシケーターなど)が手に入れば、次のような実験もできます。容器の中に半ばまで膨らませた風船を入れておいて(下の写真・左)、手動式ポンプで空気を抜いていきます。風船は次第に膨らんでいってやがてまるくなってしまいます(下の写真・右)。容器の中に高度計を入れておくと高度が上がるにつれて風船が膨らむようすがわかります。
高度による気圧の変化の割合は、どの高さでも同じではありません。大気は重力によって地表に押し付けられていますので、地表近くの大気はぎゅっと押し縮められていますし、高層の大気は大きく広がっています。それは座布団をたくさん積み重ねたときのようすを想像すればわかります。下のほうの座布団が上の座布団の重みでぺちゃんこにつぶれているのに対して、上のほうの座布団はふかふかのままでしょう。従って高度差1mあたりの空気の質量は下層で大きく、上層で小さくなっています。だから、1m上昇したときの圧力変化(低下)は下層で大きく、上層で小さいと考えられます。 このことをもう少しきちんと考えて見ましょう。いま、大気中に地表から大気上端まで延びる長い空気の柱を考えます。断面積を1m2とします。高度Z1で気圧がP1であるとし、その少し上の高度Z2で気圧がP2であるとします(右図)。このとき、P2とP1の差は、右の図で黄色の水平面で仕切られた部分の空気の重さに等しいわけですから、この間の空気の密度をρと書くと、 (P2−P1)×1=−ρ×1×(Z2−Z1)×g gは重力加速度です。左辺に1がかけてあるのは、気圧は単位面積あたりの力なので、実際に働く力に直すには断面積をかける必要があるからです。また、右辺にマイナスがついているのは気圧が高度とともに減少するからです。結局、 (P2−P1)/(Z2−Z1)=−ρg という関係が得られます。これは単位の距離上昇したときの気圧の低下の割合が空気の密度と重力の加速度の積で与えられることを表しており、「静水圧平衡の式」と呼ばれています。地球大気の平均的な高度と気圧の関係をグラフに表したものを下に示します。
左の図は地表から高度120kmまでの気圧変化を示したものです。30kmくらいまでは急激に気圧が低下していますが、その上では気圧はほぼ一定で、ゼロに近い状況となっています。このことは、地球大気の厚さが実質的には30km程度であることを示しています。 地表から10kmまでの部分を拡大したものが右の図です。大気の下層では気圧の低下の割合は大体一定しており、大雑把に言って1km上昇するごとに気圧はほぼ100hPa減少しています。この割合は上で計算した式−ρgにρ≒1.0、g=9.8を代入して計算した値、−10[Pa・m-1]に対応します(=−100[hPa・km-1])。 上の気圧分布は平均的なもので、細かく見ると場所によって少しずつ異なります。例えば大気上層で気圧が700hPaである点を連ねていってできる面(等圧面といいます)はほぼ高度3000m付近にありますが、多少場所によって高いところと低いところができます。この等圧面の高低を地形図のように等高度線で表したものが高層天気図です。等圧面の高度が高い所(等高度線の値が大きい所)が水平面で見たときに気圧の高いところに対応します。高層天気図は850hPa、700hPa、500hPa、300hPa、100hPa などの等圧面で描かれるのが普通です。実際の天気図は例えば北海道放送局のホームページのお天気のサブページから入手できますので、参照してみてください。 |
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2.雲の実験
近日公開予定です。いましばらくお待ち下さい。
| §1 はじめに 下の写真は気象衛星の雲画像の例です(気象庁ホームページ中の気象衛星のページより)。太平洋には2つの台風が見えていますが、今はそこではなく、日本列島のあるあたりの緯度(北緯30°〜50°)に注目してください。白い雲の集団がほぼ等間隔で東西に並んでいるのがわかります。これらは低気圧による雲です。雲の集団の間にある晴れている部分は高気圧に対応します。つまり、低気圧と高気圧が交互に並んでおり、低気圧同士の間隔は3000kmくらいです。これらはただ並んでいるのではなくて西から東へと移動しています。移動している様子は上記の気象衛星のページを参照するとアニメーションで見ることができます。 ![]() 日本列島のあるあたりの緯度では南北の温度差が他のところよりも大きく、その大きな温度差によって強い偏西風が吹いています。大気は南北の温度差を解消させる方向に大規模な運動を起こすのですが、地球が自転しているために単純な南北の流れにならず、西風になってしまうのです。そして、ある程度温度差が大きいときはこの西風がまっすぐ東向きに吹くことができず、南北に波打って流れるようになります。つまり偏西風が波打って流れるわけです。流れが北に振ったところは「気圧の尾根」と呼ばれ、気圧は高くなります。、南に振ったところは「気圧の谷」と呼ばれ、気圧が低くなります。これに対応して地上では高気圧と低気圧が交互に現れることになります。 つまり、中緯度の移動性高低気圧は上空の偏西風に生じた波動を地上で見たものと言えます。偏西風にこのような波動が発生し発達する仕組みは理論的に解明されていますが、ここで述べるには少々複雑すぎます。そこで、ここでは何はともあれ、温度差が大きくて回転しているシステムを実験室で再現し、流れの中に波が発生する様子が見えるようにすることを試みます。 §2 簡単なモデル 実験室で再現したい要素を整理しますと、まず北極を取り巻いて環状に流れる中緯度の流れであって、南北に温度差があること、そして北極の周りに地表面が反時計回りに回転していること、この3点です。その構造は右の図のようなモデルで表されます。これは北半球を北極の上から見た図に相当します。中央に北極を取り巻く冷たい大気、外側に亜熱帯の暖かい大気があり、その間に中緯度の大気があって、全体が反時計回りに回っています。この構造を再現することができる実験装置を作ります。模型では大気の代わりに水を使って流れの様子を調べることにします。§3 回転水槽を作る 実験装置では回転、同心円、回転軸方向の温度差という3つの条件が再現される必要があります。東京大学の木村龍治教授(現在は放送大学)は、レコードプレーヤーのターンテーブルの上に洗い桶を載せて簡単な装置を作っておられますが、ここでは別の方法として「ろくろ」を使う方法を提案します。愛知県は焼き物の町・瀬戸を擁していますので、ろくろを入手できるお店には困りません。電動式のろくろも販売されていますが回転数を自在に変化させる必要があるので、ここでは手回しのろくろを使うことにし、回転の方は別途電動モーターによって駆動します。回転式のろくろは1万円ほどで手に入ります(写真1)。 次に同心円状の構造を作るために、ろくろに乗せる容器を用意します。ここでは、家庭用品ショップで底の平らな鍋とステンレス容器(大、小)を買ってきて使います(写真2)。流れの様子が目に見えるようにするために水に浮かべる銀粉(アルミ粉)も必要です。中心を共有するように容器群をろくろの上に乗せて適当な深さに水を入れればればこれで模型の「大気」が出来上がりです(写真3)。同心円状の隔壁で隔てられた3つの部屋のうち、一番外側に40℃程度のお湯、一番内側には氷水、そして中央の部屋には常温の水道水を入れます。もちろん外側が亜熱帯、内側が寒帯(北極)を表し、中央の水道水がわれわれの中緯度の大気を表します。このようにして中緯度の大気の動きを調べるのがこの実験の目的です。調べる対象となる部分の流体(この場合は真ん中の部屋の水)を「作業流体」と呼ぶことがあります。作業流体の表面の動きが目に見えるようにするために少量のアルミ粉を浮かべます(写真4)。この場合特に注意の必要な点は、すべての容器の中心がろくろの回転の中心にきちんと位置するように乗せることです。 実験装置を組み立てる上での最大の難関はモーターです。これは自作が難しいので既製品を購入するほかありませんが、1回転の時間を1秒〜30秒と広範囲で変化させることができてしかも安定に回る(ある程度トルクがある)モーターを探すとなると、多少出費が必要になってしまいます。ここではオリエンタルモーター社製のブラシレスモーター(KBL-5120GDA2)を使用しました。これは商用電源を使い、付属の制御ボックスで回転の方向や速度を制御します。このモーターは114000円と少々高価でしたが、近々製造中止とのことで、後継機(BX5120A-5)がこれよりずっと安価に提供されています。このモーターにプーリーをつけて固定し、別に固定した手回しろくろにビニールひもでベルトを作って回すようにしました(写真5)。制御部も含めた駆動系の全景を写真6に示します。 |
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![]() (写真1) 手回し式のろくろ |
![]() (写真2) 容器群とアルミ粉 |
![]() (写真3) ろくろに鍋を乗せる |
![]() (写真4) 作業流体の可視化 |
![]() (写真5) モーターとプーリーで駆動 |
![]() (写真6) 制御部を含めたモーター部 |
| §4 実験 (4−1)軸対照流 外側と内側の部屋の温度差を30〜40℃程度にして装置を極めてゆっくりと反時計回りに回転させて見ますと、やがて「中緯度」の水に浮かべたアルミ粉は容器といっしょに回転するようになります。しかし、よく観察すると、個々のアルミ粉は容器よりも少し速く(容器を追い越して)流れているのが分ります。その様子を写真7、8に示します。写真7はストロボ発光を止めてやや露出時間を長くしたもの、写真8はストロボ発光で撮影したものです。流れが軸対称となっていますので、このような流れは「軸対称流」と呼ばれます。回転水槽を中心を通る鉛直面で切った概念図を右に示します。一番外側の部屋に温水、中心部に冷水があり、その間に作業流体(水道水)が入っています。作業流体は外側の温水で温められて上昇し、内側の冷水で冷やされて下降しますので、図に示すように作業流体の表面では内側に向かう流れ、下層では外側に向かう流れが生じ、作業流体は鉛直面内で循環するようになります。このような循環を「子午面循環」といいます。 もし回転がなければ、子午面循環によって作業流体の表面では内側に向かう流れが見られるはずです。その場合はアルミ粉は中央部に吹き寄せられるような形に集まってきます。ことろが、装置全体がゆっくりと反時計回りに回転する場合は、表面で内側に向かう流れは右向きに方向を曲げられて、ついには子午面に直角な方向に流れるようになります。これが上で見た軸対称流です。(実際には完全に直角になるわけではなく少しだけ子午面内の動きが残り、それによって熱が外側から内側に運ばれます)。 この循環は実際の大気中で赤道から北緯30°あたりまでで起きている子午面循環に対応するもので、研究した学者の名前をとって「ハドレー循環」と呼ばれています。 (4−2)波動 軸対称流ができている状態から少しずつ回転速度を大きくしていきますと、あるところで流れの様子が一変します。これまでの軸対称流が姿を消し、写真9に示すように波打った流れが見られるようになります。しかも、流れが帯のように狭い範囲に限定されており、波打った帯の外側には時計回りに回転するアルミ粉のかたまりが、内側には反時計回りに回転するアルミ粉のかたまりが見られます。よく観察するとアルミ粉はジェットに沿って流れる一方、波そのものもゆっくりと容器に対して反時計回りに移動しているのがわかります。 この帯状の流れは中緯度の高度10km付近に見られるジェット気流に対応するものであり、実際の大気中でジェット気流が南北に波打って流れている様子が表現されています。ジェット気流の外側の時計回りに回転する部分は高気圧、内側の反時計回りに回転する部分は低気圧に対応しており、その配列が波の移動と共にゆっくりと反時計回りに移動する様子は、中緯度地方で高気圧と低気圧とが東西に交互に並んでゆっくりと東に進む様子に対応します。 この状態になると、作業流体が温度の高い外壁に向かう流れと温度の低い内壁に向かう流れがあるために、ハドレー循環よりはずっと効率よく熱を運ぶことができます。このような波の働きによって熱を運ぶ循環は「ロスビー循環」と呼ばれます。 回転数を色々に変えて実験を行ってみると、波の数が3、4、5、6と様々に変化します(写真9−12)。回転を速くすると次第に波の数が増加していき、ある限度を超えると流れは不規則に乱れたものに変ります。 |
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![]() (写真7) 軸対称流−1 |
![]() (写真8) 軸対称流−2 |
![]() (写真9) 波数4の波 |
![]() (写真10) 波数3の波 |
![]() (写真11) 波数5の波 |
![]() (写真12) 波数6の波 |
| §5 補足説明 この実験装置は回転の速さを変化させることができますが、温度については制御できません。もし、外側の部屋のお湯の温度と内側の部屋の冷水の温度をコントロールできるなら、軸対称流から波動への転移が温度差を大きくすることによっても生じることがわかります。また、容器をすべてガラス製にして、作業流体に液晶を溶かしこむことによって作業流体内部の温度分布を色で見分けられるようにする試みもなされています(川平浩二氏ほか)。 地球自転の効果は実際の大気では「コリオリの力」として現されます。これは実際に働く力ではなく、「働いているとみなすことによって運動の説明が簡明になるような見かけ上の力」です。このあたりは少々分りにくいですが、詳しい説明は割愛します。ただ、コリオリの力は緯度によって大きさが異なり、北極で最大、赤道でゼロであることだけ付記しておきます。つまり回転速度を速くするということはより高い緯度の状況を表すことになるわけです。ハドレー循環が赤道近くに現れ、ロスビー循環が中緯度に現れるのはこのためです。 中緯度地方の偏西風が波打って流れる様子は、気象衛星写真でも見ることができますが、高層天気図でもはっきりと見ることができます。例えば北海道放送のページで提供されている高層天気図を参照して確かめてみてください。 |
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